大人にもオススメしたい! なろうで読める小説

「なろう」系のオススメ小説を紹介します。「俺tueee」「ご都合」「チート」の要素が強すぎるもの、安易な異世界転生などを好みません。

呪術師は勇者になれない

呪術師は勇者になれない  作者:菱影代理

未完結 更新状況 早め・定期的

おすすめ度  :★★★★☆

ストーリー  :★★★★☆

登場人物   :★★★★☆

世界設定   :★★★★☆

強敵との闘い :★★★★★

私立白嶺学園二年七組の生徒四十一名は、その日、何の前触れもなく発生した異変によって、地球とは異なる、魔法の異世界へと呼び寄せられる。広大なダンジョンへ散り散りに降り立った彼らは、神が与える加護『天職』の力を手に、唯一の脱出手段があるという最奥に向かって行く。ある者は勇敢に、ある者は自由に、そして、またある者は悪逆非道に、ダンジョンの攻略を目指す。しかし、ここに一人、何の戦闘能力も持たない天職を得た生徒がいる。出席番号19番、桃川小太郎。文芸部所属の小柄で華奢な少年は、魔法の力も、剣の才能も、恵まれた身体能力もなく、ただ、与えられた天職『呪術師』のみを頼りに、強力な力を持つクラスメイト達の後を追う――生存本能全開! 極限の異世界ダンジョンサバイバル。信じ合い、愛し合い、そして裏切り殺し合う、美しくも凄惨なバトルロイヤルが、幕を開ける。

 

黒の魔王と同じ作者さんです。

同じ作者さんだけあって、ダークな設定、ユニークな人間模様、熱い戦闘など、期待を裏切らない内容になっています。その上で黒の魔王とはまた違ったテイストを醸し出していて、作者の技量の高さを感じさせます。

 

大枠だけ見れば、異世界転生のクラス転移モノで、バトルロイヤルという、よくある内容です。私も最初は敬遠していましたが、数話読み進めていく中で、そのダークな設定、決して強くない能力を駆使しながら戦う主人公の姿や人間模様に魅せられていきました。

 

読み進めていくと、敵として登場するモンスター?『ゴーマ』が、なかなか忘れられないインパクトを残してくれます。いや、確かに誰にでも暮らしや営みはありますが、作者の思い入れやこだわりを感じます。

 

相変わらず戦いが胸熱です。黒の魔王は戦争であるとしたら、こちらは戦闘です。強敵との闘いにどのように勝利していくのか、単純な強さではない、知恵・精神・仲間・工夫・技術さまざまなものを駆使して戦う内容が本当に毎回楽しみです。

 

ただ時々、クラスメイトの言動や行動に納得がいかないことがあります。あえてそうされてるのだと思いますし、置かれた状況を考えてみればあり得るのかもしれません。その辺は私の想像不足なのかもしれませんが、なんで?という思いが出てきてしまいます。

また世界設定も隠されたものがあってミステリアスなのですが、あまりにも全容がわからなさすぎて、もう少し明らかになってほしいという思いもあります。

 

その辺で、黒の魔王よりは★が少なくしております。好みの問題だと思いますし、黒の魔王と呪術師は勇者になれないは、片方読んで気に入っていただけたら、どちらも大丈夫かなと思います。

 

こちら書籍は1巻出ているのですが、どうやら出版社のレーベルがなくなってしまったようです。とても残念です。どこか違う出版社さん見つけてくださらないでしょうか。

 

黒の魔王

黒の魔王   作者:菱影代理

未完結 更新状況 早め・定期的

おすすめ度  :★★★★★

ストーリー  :★★★★★

登場人物   :★★★★★

世界設定   :★★★★★

戦争の熱中度 :★★★★★

黒乃真央は悪い目つきを気にする男子高校生。彼女はいないがそれなりに友人にも恵まれ平和な高校生活を謳歌していた。しかしある日突然、何の前触れも無く黒乃は所属する文芸部の部室で謎の頭痛に襲われ気絶。次に目覚めた時には……。剣と魔法、モンスターの闊歩するオーソドックスな異世界召喚モノ!

オーソドックスと説明にはありますが、相当ダークな設定や描写がある骨太な戦記物の小説となっています。数話読んでいただければわかるかと思います。私がなろうの良さを知った初期の作品で、とても思い入れがあります。今はわかりませんが当時は商業的にはここまでダークな描写や設定のライトノベルが少ない中だったので、印象的で惹きつけられました。

更新は定期的に、何年間も維持し続けつつ、新作も定期的に更新し続けておられます。

すべてのキャラクターが良い意味で異常。性格がまともなキャラもいますが、主人公クロノの周囲は癖のある人物ばかり。主人公自身が呪われ体質でもあり、主人公の武具防具まで本当に個性豊かです(読んでいただければわかります。)

この小説は戦闘・戦争が本当に熱くて、盛り上がりが半端ないです。60話あたりのイルズ村の話や、100話あたりからのアルザス防衛戦、このあたりが最初の山場かと思います。クロノにも読者にも、心に深く残る内容で、ここまでが私にとっては序章のように感じています。数話読んでみて少しでも気に入っていただけたら、まずそこまでは読んでほしい。

内容はダークなのに、一人一人が陽気・前向き・無自覚・異常だったりして、ユーモアがすごくある作品。悲しみや苦しみがあってこその喜びや面白さ、そんな言葉が出てくるような小説です。

俗にいう中二的な設定やカッコ良さを、大人向けに昇華している作品です。

 

ラピスの心臓

ラピスの心臓   作者:おぼっさむ 

未完結 更新状況遅め

おすすめ度  :★★★★★

ストーリー  :★★★★★

登場人物   :★★★★★

世界設定   :★★★★★

続きが気になる:★★★★★

狂鬼と呼ばれる凶暴な生き物でひしめき合う、灰色の森で覆われた世界。孤児として独りぼっちで生きる主人公のシュオウは、生まれながらの優れた動体視力を見込まれて、偶然の出会いを果たした凄腕の刺客に拾われる。十二年後、様々な知識や技術を習得したシュオウは、見聞を広めるために旅にでる。才に溢れるシュオウは、様々な出会いや経験を経て、着実に上への階段を昇っていくことになる。天井知らずの立身出世ファンタジーはここから始まる。
▽このお話には【サクセスストーリー】【戦争】【恋愛】【主人公TUEE】等の要素があります。
▼このお話には【性暴力】【寝取られ】等の要素はありません。

更新は遅めですが、それさえ待てるならぜひ読んでほしい作品です。

ストーリー・文章力・世界観・キャラクター、どれも高いレベルでまとまっていて、無料で読めるのがありがたすぎるレベルです。本当にありがとうございます。自然と作者のために書籍購入考えるくらい感謝の気持ちが出てきます。

 

主人公シュオウを主軸に(時々外伝)話しが進む王道ファンタジー

まず、とにかくシュオウがかっこいい!主人公TUEEの要素有りと表記ありますが、理不尽な強さではありません。持って生まれた才能(動体視力等)を駆使しながら、血のにじむような訓練で手に入れた強さです。そして世俗と関わらず訓練にあけくれたゆえの、世界の一般的な価値観に囚われない思考と行動が、様々な人と歴史に影響を与えていきます。

 

登場人物は一人一人が濃く個性的(変)であったり、憎めない存在ばかりです。面白い小説は脇役・三枚目役などが上手に生き生きと描かれています。

 

恋愛はハーレムとまではいかないですが、いろんな人がシュオウの生き方や行動に惹かれ、好意を持たれてはいきます。恋愛よりは戦争・成り上がりの要素の方が強め。いいバランスだと思います。

 

世界観もあらすじにあるように興味深く、現在もまだまだ謎に包まれている部分が多くあります。よくこんな設定考えて上手に生かせれるなぁ。主人公自身のまだ明かされていない部分とともに、少しずつまさに霧で包まれていた世界が明らかになります。

 

少しご都合的であったり、「なぜあそこでこんな思考・行動に至ったのか?」と思うことも0ではありませんが、個人的には苦にならないレベルです。

 

更新が非常に遅いのだけが残念ではありますが、何か月かけても更新してくださいます。待ってる間に前の内容を忘れてしまいそうになるのだけが、たまにきず。